グローバルウェイ/5連続ストップ高 タイムコイン・パーソナルコインの価値は

グローバルウェイ/5連続ストップ高 タイムコイン・パーソナルコインの価値は

コインチェック社の買収を発表したマネックスグループ(8698)、香港取引所の度重なるトレード開始延期を発表したファステップス(2338)と、話題に事欠かない仮想通貨関連銘柄ですが、現在相場を賑わせているのがグローバルウェイ(3936)です。
 
なんと5営業日連続ストップ高の快進撃です。
 
4月13日のプレスリリースによりますと、グローバルウェイ社はスイスの子会社を介して独自の通貨「TimeCoin(タイムコイン)」のICO実施に向けた申請を行い、同時にタイムコインを使用するためのブロックチェーン技術を用いた分散型プラットフォーム開発を発表しています。
https://www.globalway.co.jp/news/2018-04-13/
 
 
グローバルウェイ社は元々、「タイムチケット」というサービスを運営しています。
技術・ノウハウ、あるいは知識や経験のある個人の空き時間に価値を見出し、30分単位で個人の売り手と買い手の需給をマッチングさせるシステムですね。
 
そのタイムチケットのサービスシステムを、丸々ブロックチェーン技術を用いたプラットフォーム上に乗せてしまおうというのが今回の試みです。
 
プレスリリース内で「ギグ・エコノミー」という言葉が用いられていますが、確かに昨今、個人が企業に属さず、自身の市場価値を高めて成功するケースが増えています。
 
近年台頭してきた顕著な事例ですと、パーソナルトレーナーなどが該当するでしょうか。
若干ニュアンスはずれますが、著名人で言うと、武井壮さんのようなセルフプロデュースの成功者、とイメージしていただければ差し支えないでしょう。
 
ギグ・エコノミー市場の素晴らしいところは、CtoC(個人間取引)を前提に成り立っているので、中間マージンが殆ど発生しないことです。
企業に属していれば、あるいは代理店を通せばその仲介料として一定の利益を分配する形になりますが、CtoCの場合、消費者の支払いがほぼそのままサービス提供者の利益となります。
 
しかし、個人としての市場価値を高め、売り込んでいくには、個人としての実績を証明する履歴、売り込む場所やコネクションが必要です。
そこで活躍するのが、タイムチケットのようなプラットフォームなのです。
 
つまり、予め個人(売り手)が自身の提供するサービスをプラットフォーム上に掲載し、その内容と値段設定について購入の意思を示すユーザーがいれば、個人間取引が成立する訳ですね。
タイムチケットは、その媒介となるサービスです。
 
時間単位ではなく、各作業、技術単位でのCtoCプラットフォームの成功例として挙げられるのは、ココナラでしょう。価格設定も良心的ですし、カテゴリも多岐に渡ります。
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タイムチケットサービスについては、少々個人の提供しているサービスに偏りがあるようです。
人気順で検索すると、上位にヒットするのは情報商材に近いものや、自己啓発に類するものが多いですね。
 
さて、タイムコインのお話に戻りますが、今回のグローバルウェイ(3936)の株価急騰の理由は、以下の3点であると考えます。
 
・時価総額数十億の企業が、ICOで最大40億円を調達すると報じられたこと 
・仮想通貨ICOと、分散型プラットフォーム開発の発表を同時に行ったこと
・ギグ・エコノミー市場とDEXの相性が良く、将来性に価値を見出した投資家が多いこと
 
となります。40億円の報道に対するIRはこちらです。
https://kabu.click-sec.com/sec1-5/pdf/newsPdfDownload.do?headlineId=3236878
 
まず40億円の調達に関してですが、現在時価総額が60億円強の企業が40億円をほぼ無償で調達するというのは、確かにインパクトがあります。
 
仮想通貨市場の時価総額ランキングを見ていると感覚が麻痺してきてしまいがちですが、云わばクラウドファンディングのような形で企業が40億円もの資金を集めることができるなら、内部留保が突如として40億円増えるようなものですから、株式市場に与えるサプライズ要素としては大きかったのでしょう。
 
 次に、ICOと分散型プラットフォームの同時発表についてですが、これについては、仮想通貨市場の動向を長く観察している方にとっては特に新鮮味はないかもしれません。
某フォーラムでは、日々新たな通貨のICOと、抱き合わせのプラットフォームが日々公開され続けていますので、特別なことは何もありません。
 
しかし、国内の上場企業が、自社のサービスを基盤として、新たな通貨と、そのプラットフォームの開発を宣言したことは、やはり意義深いものがあります。
しかもそのサービスがギグ・エコノミー市場に即したものであり、DEXとの親和性が非常に高い点が、思惑買いを加速させているのでしょう。
 
先ほどのプレスリリースには、2025年のギグ・エコノミー市場の規模は270兆円程度まで拡大するとありましたが、実際に分散型プラットフォーム上でギグ・エコノミービジネスを展開・成功できれば、事業の拡大は青天井、規模の予測がつきません。
 
以上の点で思惑が思惑を呼び、グローバルウェイの株価は連日急騰を見せているのでしょう。
 
しかし、ブロックチェーン技術を用いたギグ・エコノミー市場がいかに魅力的とは言え、グローバルウェイ社の手法に懸念が残る部分もあります。
 
まずは、なぜタイムチケット事業が国内で軌道に乗り始めたばかりのこの時期に、海外でICOによる資金調達を行うのか?
という点です。
 
プレスリリースには、「将来的に日本居住者が、国内の仮想通貨取引所を通じてタイムコインを日本国内で購入できるようにする予定です。」とありましたが、現状子会社のICO実施が認可されたとしても、日本居住者は通貨を直接購入することが出来ないということです。
 
https://kabu.click-sec.com/sec1-5/pdf/newsPdfDownload.do?headlineId=3235040
こちらのIRでも、日本居住者は購入できない旨が記載されていますね。
 
 
プレスリリースには「新機能を実装したタイムチケットはインド、インドネシア、ミャンマーなどの東南アジア・南アジア諸国での展開も視野に入れています。」とありますが、現在タイムチケット事業は国内で展開されており、現時点においては、海外で外国人向けにICOを行う合理性がありません。
 
また、今回のプロジェクトには、タイムコインとは別に、パーソナルコインというものが存在します。
以下プレスリリース本文抜粋です。
 
タイムコイン保有者は、自分自身の価値を変換したパーソナルコインを発行でき、タイムチケットが提供するパーソナルコインマーケットを通じて、ユーザー間でパーソナルコインを売買することが可能になります。
タイムチケットのユーザーは、個人であっても自分自身のコインを通じての資金調達をすることが可能となり、その個人を応援するユーザーはパーソナルコインを購入・保有することにより、応援している個人から特典・限定サービスを受けることができるようになります。
 
一目で感じた方も多いかと思いますが、VALUに酷似していますね。
さらに切り込んだことを言えば、先も述べました通り、タイムチケットの利便性は、現時点においてはココナラ等他の国内CtoCプラットフォームに及ばず、世界展開するレベルにはありません。
 
もちろん、グローバルウェイ社は今すぐ世界展開をするとは決して述べておりませんし、むしろ願わくば、時間をかけてでも世界に通用するシステムを構築し、グローバルウェイ社のような果敢な国内企業がギグ・エコノミー市場を席捲する様を見てみたいものです。
 
だからこそ、なぜ今ICOが必要なのか?ICO規制の逆風の中、敢えて海外から資金を集める必要性にそこまで迫られているのか?という疑問は払拭できません。
 
そのあたりの期待と不安を織り交ぜた来週以降のグローバルウェイ(3936)の株価はどうなっていくのか? 
 
まず、グローバルウェイ(3936)は来週頭にも増担保規制を控えていますから、一時的に流動性が下がる可能性が高く、5連続でストップ高をつけた株価は特別なリリースがなければ停滞するかもしれません。
 
しかし、IRには子会社の設立、ICO申請、ICO認可の一連の流れが、8月まで続くと記載があります。
大きなネガティブ要素がなければ、思惑買いが長期化し、増担保規制後も株価上昇が続いていく可能性があります。
 
ただ、先日もお伝えしましたが、ファステップス(2338)のように、度重なる取引所トレード開始延期の上、BinanceやOkexなど大手取引所から香港に取り残されてしまった事例もあります。
グローバルウェイ(3936)においても、新たな規制等により計画が頓挫する可能性がゼロとは言えません。
 
仮想通貨市場は日々目まぐるしく変化していっておりますから、一銘柄に過度の期待をかけ過ぎないことが、引き続き重要となるでしょう。